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カメラの視点、「水曜どうでしょう」の革新
by KITAMURA TAKUYA 22.APR.2006

みんなはテレビ番組、特にドキュメントやニュース、バラエティとかを見ていて、「カメラの視点」ということを意識したことはあるだろうか。カメラの視点? なんだそりゃ、知るか、能書きたれんなボケ、って思われた方、いや、別に難しい事じゃないし、むしろ当たり前のことしか書いてない。そしてもし「水曜どうでしょう」好きの人がいたならば、ちょっと読んでみてほしい。

俺はあの「水曜どうでしょう」という番組が大好きなわけだけれど、俺が感じたあの番組の魅力や新しさについて、この「カメラの視点」からまとめてみたいのだ。そして、それはこのインディーズ番組HOUSE FRIGGERを制作する上で外せない重要な要素でもあるんだ。(それは別にどうでもいいか)

そんなに意識する事は無いけど、普段いろんなテレビ番組を見ていると番組ごとに様々な視点が存在することに気付く。例えば、バラエティ番組が芸人をいじる時の視点。それは完全に上からの視点だ。番組内で馬鹿なことをする芸人を、我々は「馬鹿だなあコイツ」という視点で見なければ面白がれないから、自然と視点の作り方もちょっと上から見下す感じの視点になる。芸人が道ばたで単純そうなヤングガイにおちょくられるのも、この視点をそのまま自分の視点と勘違いしてしまう人が多いからだろう。逆に大物ゲスト出演とかのときは、下から崇めるような視点で作られているから、見ているこちらも崇める感じで見てしまう。大物ゲストはヤングガイにどつかれないですむ。

で、俺が「水曜どうでしょう」というバラエティ番組で感じた魅力と新しさ、それはこの「カメラの視点」の魅力と新しさだ。あの番組の醍醐味はなんと言っても仲良し4人組がひたすら企画にのっとって旅をすることにある。皆で困難を分かち合いながら旅をすればそりゃ親密度も上がるだろう。つまり、カメラマンとディレクターが常に出演者と同行することで深まる親密感がもろに「カメラの視点」となってお茶の間に届けられるのだ。そういう関係性の中で自然と生まれるニュアンスがあの番組の魅力なわけだ。

出演者が面白い、ディレクターのセンスがいい、それはもちろんのことだが、そんなバラエティ番組ならたくさんある。それらの(これまでの)バラエティ番組と一線を分つもの、それは最終的にはやっぱりこの「カメラの視点」の魅力なんじゃないかと思う。見ている人がその一員になったかのような視点。それは従来のバラエティ番組から感じるような芸人いじりの上からの視点でもなく、二枚目俳優を祀り上げるような下からの視点でもない。

こういう視点は既に売れっ子になった芸人やタレントが出演するようなバラエティ番組の作り方ではなかなか生み出せないだろう。売れっ子の限られたスケジュールの時間割では親密度が行き渡らないだろうし、そんな関係を築くことは容易ではない。

勘の良いかたは既にお気づきだと思う。そう、もし今後こういう魅力的な視点を届けるような番組が新たに生まれるのならば、それはむしろ一般人の、インディーズの動画配信にこそ可能性があるのではないだろうか。民放が出来ないような事ができるなら、いつか個人が発信する番組のようなものを作ってみたいと考えていた俺にとっては、低予算うんぬんよりもむしろ、カメラの視点のあり方で「水曜どうでしょう」はその可能性を提示してくれた。そしてそんな視点の魅力に取り付かれた男が取り組むのがこの「HOUSE FRIGGER」というわけだ。

 
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