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最近、鳩がベランダに飛来する頻度が高くなった気がするのだが。
朝っぱらからぐるぐるぐるぐるもううるせーのなんのって。冬だぞこの野郎。
まーた来てやがるな、と気付く度にくらあ!なんてサッシをおもいくそ開け放してやると、腰を抜かさんばかりに驚いた鳩はわたわたと飛び去ってゆくのだけれども、これもうキリがない。いつもいつもエアコンの室外機の裏辺りから飛び去るもんで、そこを覗き込んで脱力。いつの間にセッティングされたのか、卵が2個ほどちんまりと。畜生めが生みやがったか畜生。
しかしまあ、生まれた以上はどうしようもない。小さな可愛らしいその卵を放り捨てるほど残酷になれない私、ノネナール臭漂う33歳。
仕方なく室外機裏のスペシャルな物件を鳩様にお貸しすることを決意するのだが、オレにもベランダには洗濯物干しなんかの用事がある。で、ニートとバードの共同生活が始まったわけである。
その後もついうっかり無神経にサッシをばんと開けたりすると、羽をばっこんばっこん室外機にぶつけながら慌てて親鳩はばさばさと空高くお逃げになる。そんな不安定な抱卵で孵るんかしら。と、ある日親鳥がいない時に卵を確かめてみると、2個あった筈の卵が1個しかない。ん?孵った?と思い、あちこちを探してみるがどこにもいない。なんでや。
更に後日、も一度覗いてみる。親鳩は留守だった。そこには前と同じように1個の卵が生気なく転がっている。うーむ、かれこれ3週間ほどは経っているのではないか。鳩の孵化はそんなに時間がかかるものなのか。
で、よくよく見てみると、すこうしヒビが入っているようにも見える。針金ハンガーでちょっと突っついてみましょうか。ぐりぐり。あれ?なんやこれ?卵は地にくっついたように動かない。固着性?ぐりぐりぐりぐり。ぱき。うわ、割ってもた。オラ知らね。ん?中には何も入っていないように見えるがどういうことだ。顔を近付けて覗き込む。が、そこにはただただ漆黒の闇が。
その日の夜、夢を見た。自分の部屋でうとうとしているという、現実との境があやふやな夢。ベランダから窓を叩く音が聞こえ、覚醒する。多分それは夢の中でだったと思う。ふらふらと年がら年中閉めっぱなしの暗幕を開けると、そこには窓一面いっぱいの巨大な鳩の顔が。ぎゃあ。
次の日、孵化できなかった小鳩を偲び、ベランダで香を炊いた。ま、香といってもそれはただのチャンダンだったのだが。
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